皆様こんにちは。

リハビリテーション科の遠藤です。

本日は外反母趾について書かせていただきます。

 

まず外反母趾とは足の親指が小指側に曲がり「く」の字のように変形し、母趾の付け根の腫れや痛みのために、靴を履いての歩行に支障をきたす状態をいいます。

進行すると親指が内側によじれ、地面を支える力が弱くなり、第2指と3指にかかる負担が増大します。結果、足のアーチ構造が破綻し、足底にも痛みを伴うタコが出現すると言われています。

 

外反母趾診療ガイドラインと言われるものがあり、その中では“軽度から中等度の外反母趾に対して運動療法を行うことを弱く推奨する”と書かれています。また足底版などの装具療法も同じで弱く推奨すると書かれています。

外反母趾になってしまったら完全に治ることは難しいです。そのためには外反母趾を予防していくことが重要と考えることが出来ると思います。

 

どうしたら予防できるか?

まずは靴との関係性をみていきます。

最近はあまり見ない気がしますが、ハイヒールとの関連性が示されています。また、20歳~39歳の間に先の細い靴を履いていた女性は外反母趾になるリスクが高かったと報告されています。

ではどんな靴がいいかというと

①母趾の付け根の関節を圧迫しない

②爪先が広く足趾の運動を妨げない

③ヒールの高さは低めにする

(6センチ以上は外反母趾リスク増加)

④柔らかい素材を使用する

⑤靴ひもはしっかり締める

⑥適切なサイズを選ぶ

と言われています。スニーカーなどの運動靴が良いと思います。

 

 

ちなみに日本人は外反母趾になりやすいエジプト型と言われている足の方が多いそうです。

下の画像の左からエジプト型、ギリシャ型、スクエア型と言われています。

 

よかったらご自身の足指を見てみてください。

 

 

次に自宅で出来る運動療法をご紹介します。

 

母趾外転筋のマッサージ

土踏まずの内側部分にあります。

外反母趾の方はこの筋肉が固くなってしまっていることが多いです。まずはマッサージをしましょう。

この筋肉を柔らかくし、力が入りやすいようにします。

 

母趾の外転運動

 

母趾を少しそらした状態で開く方向に力を入れます。

いわゆるパーの状態です。1日150~200回が推奨されています。

 

 

Hohman体操(ホフマン体操)

両足の母趾にゴムを引っかけて、足は外側に捻り、母趾を内側に引き寄せます。包帯や弾性包帯でも可能です。

 

以上が簡単にできる自宅での運動になります。

残念ながら外反母趾はリハビリや装具などでは完全には治りません。

普段から靴選びから気を付けて、足の運動を継続的に行い予防していきましょう。

大生水野クリニック