天気によって痛みが変わるのはなぜ?
皆さんの中には天気によって関節が痛くなったり、なんとなく体が重だるくなった経験ありませんか?
日々患者様と接していると訴える方は多いです。
この気象の影響を受けて起こる症状を「気象病」といい、天気が悪くなると痛みが悪化する現象を「天気痛」と呼ぶそうです。気象病には痛みだけでなく憂鬱な気分になるといった精神面での変化が起こる場合もあります。
ではなぜ気象病、天気痛が起きるか。考えられる原因が2つあります。
1つは自律神経の乱れといわれています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、そのバランスで身体のさまざまな臓器の機能を調整しています。
低気圧下では酸素濃度が低下し、生命維持のために身体を休ませようとする反応に傾きます。この反応が強い方は副交感神経が優位になり脱力感や眠気、だるいなどの症状が出てきてしまいます。また痛覚刺激にも過敏になってしまいます。
2つ目の原因として考えられているのはヒスタミンの影響です。
ヒスタミンは炎症を引き起こす物質で、低気圧の時に多く分泌されるといわれています。またヒスタミンによる刺激で筋肉や関節では血管を収縮させて血行を悪くしてしまいます。
簡潔に言うと、元々炎症起きている部位や凝っている部位が低気圧により余計にひどくなるということです。
では気象病、天気痛を予防、改善するためにどうしたらよいか。
自律神経の安定のためには有酸素運動やストレッチ、質のよい睡眠などがあげられます。ただ炎症症状が起きている方は運動で炎症部位に負担がかからないように注意しましょう。また気圧を感じ取るセンサーが内耳にあるため、耳周囲を温めて血行を促したり、耳を上下左右、回したりとマッサージしてあげることも効果的です。
日中はアクティブに、夜間はリラックスしてメリハリのある生活を意識すること、もともと持っている病気や疾患を治すことが重要と言えそうです。
リハビリテーション科 遠藤